〜無双竜〜

□〜旅立ち〜
1ページ/6ページ

竜は少女を抱えながらしゃがみ込んでいた。おかしなことに血はでていない。
「うっ、てぃ?」
竜は頭に右手を当てた。ドロドロにはなっていない。血はついてないみたいだ。
「あ!!君!!ん〜、少女?あー、もう姫でいいや。姫っ!!大丈夫ですか!?」
黒髪の少女はまだ気絶しているみたいだ。こんなところにずっといたら体に悪い。
「とりあえず、早く家に行かなきゃ!!」
竜は少女を抱えると、森の中を爆走した。おかしなことにいつもなら森の外に行くのに30分はかかるのに、今は10分もかからなかった。

家に着くと少女を自分のベットに寝かせた。
「ふう、寝かせれば何とかなるよね〜。」
竜は部屋の外に行くと洗面所に向かった。
「でも、なんであんな所から落ちたのに生きてんだろう…?」
 確かに谷から落ちた。なのにこうして生きている。おかしくないか?まさか、自分不死身!?
「なわけないよね〜!!」
竜はケラケラと笑うと、洗面所の蛇口をひねった。爪が剥がれた手を濡らした。

うわ〜、ムチャしみる〜…。

竜はふと顔をあげて鏡を見た。その瞬間竜の笑顔が消えた。
「ね、猫耳?」
鏡に映ったのは自分の姿そして耳が消え、代わりに黒い猫耳が生えている。
「はい、ここはどう突っ込めばいいんでしょうか?」
何故か不思議と懐かしく感じた。竜は何となく腰に手をあてた。すると何か不自然なモノが腰に付いている。
「なにこれ?」
竜は腰にあるモノを引っ張った。何かの紐だろうか?でも、なぜ黒い?
すると、腰に静電気のような痛みがかんじた。
「ういっつ!!んじゃねん!!」
奇声をあげるた後、急いで口に手を当てた。少女はまだ起きてはいないらしい。
「それよりも、何これ?この耳…。萌えキャラアイテムだろ、これ。あたしは萌えキャラじゃねーよ!?消えないかな〜?」
すると、猫耳が鈍く光ると消えた。そして、もともとの耳が戻っていた。
「この小説って、まさかのファンタジー?」
竜は頭をかきながら洗面所をあとにした。ついでに包帯を取りにいった。右手についている、赤い変な模様を隠すために。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ