ユメのカタチ‡APH‡

□ひとり
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いつ帰って来るかわからないやつを待つのは嫌だ。
心配して不安になるのは嫌だ。
ずっと独りは嫌だ。

おまえに会えないのが、一番嫌だ。

はやくかえってこいよ、ばかやろー!

目の前に広がる青い海に向かって、力一杯叫んだ。
海はどこにでも繋がってるって、あいつが言ってた。

『ひとりの寂しさ知ってるやつは、ひとりじゃない楽しさを知ってるやつや。でもな、ひとりの楽しさ知ってるやつは、ひとりじゃない楽しさにはよう気づけへん』

だからな、ロヴィーノ。

『おまえには笑っててほしいん。みんなに囲まれて、ひとりじゃない楽しさ、感じてほしいんや』

……ちがう。
いくらたくさんのやつがまわりにいても、ずっと、ひとりの寂しさしかない。

……おまえがいなきゃ、意味がないんだよ――。



「ロヴィーノ」
砂埃と鉤裂きだらけの服を纏ったアントーニョが笑う。
「――ただいま」
アントーニョはしゃがみ、ロヴィーノの頭を撫でる。
涙が零れた。
ロヴィーノは勢いよくアントーニョの胸にしがみつく。

どこ行ってんだよ…。
遅かったじゃねーか…。
心配したんだからな…。

言いたいことはいくらでもあった。けど、何も言葉にならなかった。
ただ、アントーニョの服に顔を埋めることしかできなかった。
アントーニョは何も言わず、優しくゆっくりとロヴィーノの背中を叩いた。
嗚咽が込み上がる。
「……っおかえり……なさい…っ」

よかった…。

もう、寂しくない。

fin

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