晴れ時々飴

□その前に
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ついに三星戦。

お、俺 ちゃんと投げれるかな…。

…廉、大丈夫かな


5球!!!
「あ、」


阿部の声で我に返り、ミット目掛けて球を投げる。


けど、ズレる。

全然うまく投げられないんだ。

俺の隣にいる廉はずっとキョロキョロして…たと思ったらいきなりビクゥッ!と跳ね上がるように体を震わせた。


「おー…ぃ」


向こうの方から…多分、叶の声…。

き、来た。

俺も同じように体を震わせる。
大丈夫だ…うん。


三橋!!どこ行くんだよ!!

「なっ…」

阿部が叫ぶ方を見れば廉が走っていく後ろ姿。
やばい、今廉を一人にしちゃ!!

焦った俺は目で必死に廉を追いながら走り出そうとするが、俺の腕は阿部にがっしりと掴まれていた。

「放せ!!廉が、廉が…!!」
「試合前だぞ!?お前は三橋にかまわず投げろ!!」


試合前?
んな事は知ってんよ…!



「お前には分かんねぇよ!!」
「あ!おい桐島!!」



誰にも分かるわけないんだ。
ここで行かなかったら廉がどうなっちゃうかなんて…分かるわけない…!!!





廉の元へと急ぐ。



無我夢中で。







あ、あの後ろ姿は…
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