Short dream
□Trick or Treat
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「マリー、トリック・オア・トリート」
『…あ…………』
にっこり微笑むリーマスとは対象に私の頬は引きつる。
油断をしてしまった。
優しい彼ならきっと言わないと思ってた……。
『あ、あの…これじゃあ』
「それは今さっき私達があげたものだろう?貰った物を返すのはマナー違反だよ」
奥でスネイプ先生がため息をつくのが聞こえる。
「私も甘いもの好きでね。お菓子を貰えたら一番なんだけど、ないなら仕方がないね?」
リーマスは笑顔のまま私に近づいて来る。
『ぇ…え…っ』
一歩近づけば私は一歩下がる。
「ふふ」
『Σっ!』
じりじり迫られ、背中にはさっき出ようとした扉が当たる。
私は目で助けてとスネイプ先生に訴えるが、ため息を吐くだけで助けてくれない。
私は下がれないのに気にせずリーマスは私に近づいて来る。
『ぅ〜〜//』
グッとリーマスの顔が私に寄せられ、
「冗談だよ」
と耳元で囁かれた。
『っえ……』
楽しそうに笑って私から離れる。
「あははは!悪戯のつもりがそんなに怖がられると私も少し焦ったよ」
『あ、あの…リーマス…』
リーマスは椅子に座ってチョコレートを食べる。
「あまりにも良い反応を返してくれるからつい、ね」
『ぅ…びっくりしました…』
「はは、すまなかった」
スネイプ先生は本棚にもたれかかり紅茶を飲んでいる。
『スネイプ先生も助けてくれないし……』
「セブルスは本当に危険だと思わなければ動かないからね」
「ふん」
リーマスは円柱型の缶を取り出すとそれを私に渡して来た。
「それはからかい過ぎたお詫びだよ」
『あ!私が好きなお店のクッキーだ!覚えてくれてたの?嬉しい!』
「それは何より」
『ありがとう!じゃあね。スネイプ先生もありがとうございます!』
悪戯するつもりが悪戯されてしまうこととなったが、嬉しい収穫に上機嫌で帰った。
来年は逆に悪戯してやろう。なんて思いながら、クッキーを食べたのだった。
終わり
あとがき
ハロー(*^o^*)でーす。
USJのCMを見てハロウィンか…なんて思い、ハロウィンをネタに短編書こうかなんて思い………
中身なんて考えず書いてみたらこうなってしまいました(笑)
書いた本人が言うのも何ですが、読み返して見て中身ペランッペランだと思いましたね。
はい。
あと余談ですが、“Trick or Treat”のリーマス視点バージョンの“Trick or Treat -another-”も書いてみました。
良かったらそちらの方もご覧下さい!
では、さらばッ!
'11/10/02 神和