賢者の石
□第6章
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みんなで昼食を食べ終わり、1人ホグワーツ内を探検していた私は少し先に歩くドラコの姿を見つけた。
『あーー!!ドラコぉお!』
全速力を出しドラコに向かって猛ダッシュする。
「な、ちょっ!なんだ!?」
『さっきはよくもーー!』
「うわっ!く、来るな!」
ドデーンッ!
私が勢いよくドラコに突進したため、2人一緒に転がって行く。
怒りと言うより、スピードを出しすぎて、制御が利かなくなったのが原因だ。
「いっつぅ〜何を考えてるんだお前は!」
ドラコは頭を片手で押さえ痛みに顔を歪ませる。
私はと言うと、ドラコが何気に庇ってくれたお陰で怪我どころか痛みすら感じない。
『だってドラコが悪いんだよ!ハリーとかロンとかの悪口言うから!』
「そんな事で僕に怪我させるつもりか!?」
『そんな事って何よ……2人は私の大切な友達なんだからね!』
グッと顔近づけ睨みつける。
「な//…近っ……」
『ドラコとだって仲良く出来ると思ったのに。私と仲良くなりたくないってか!失礼だなオイ』
「いや…そこまで言ってな………」
『もういーよーだ!スネイプとかマクゴナガル先生とかいなかったらあ、あれやってたよ!』
「…は?あれって何だ?」
『あれはあれだよ!…オブリビエイトだよ!』
「何で忘却呪文!?何を忘れさせるつもりだ」
呆れた風のドラコに私の立場がなくなって行く。
『と、とにかく、ハリー達に意地悪したらダメだかんね!』
「フン、さあね」
そう言ってドラコは私の横をすり抜けて、帰って行った。
『何であんなムカつく言い方出来るかな〜。逆に凄いわ。根は良い奴だと思うのに…………』
素直に育てば良かったのに、と心の底から感じたのだった。
第6章 了