賢者の石

□第6章
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「ああ、リョウにはまだ言ってなかったんだった」

「リョウったら最近突然消えるんだもの」

「勉強じゃないんだよ。ハグリッドがニコラス・フラメルって言ってからずっと、どんな人物か調べているんだよ」

ハリーが明るく答えた。


『ニコラス……?』

「何だって?」

ハグリッドは驚いて言った。

「あの犬が何を守っているかなんて、おまえさんたちには関係ねぇ」


「私たち、ニコラス・フラメルが誰なのかを知りたいだけなのよ」


『ニコラス・フラメルって錬金術研究家で賢じゃ………あ』


「「「知ってるの!!??」」」


いっきに詰め寄ってきた3人にはっとして慌てて口を閉じる。


「おまえさん…!」


『いや、あの、ごめん。間違えた。ニコラスケイジと間違えた』

「誰だよ………」


「知ってるのかと思った…」

『あっはは〜すまんすまん!』

豪快に笑ってその場をごまかす。

ハグリッドが余計な突っ込み入れてくれなくて良かった。

何で知ってるんだ!?とか言われたら自分をフォロー出来ないもんね。


「ハグリッドが教えてくれる?そしたらこんな苦労はしないんだけど。何かヒントをくれないかなあ。僕、どっかでこの名前を見た覚えがあるんだ」


「俺は何も言わんぞ」

ハグリッドはきっぱり言った。

「それなら、自分達で見つけなくちゃ」

とロンが言った。

私を抜いた3人はムッツリしているハグリッドを残して図書館に急いだ。






図書館に来た私達は四方に散ってあらゆる本を引っ張り出していた。


私は調べる気ゼロだったから3人よりも先に図書館を出て廊下で待っていた。


15分後ハリーが図書館から出てきた。


『ハーイ、どう?見つかった?』

「ううん。リョウは?」

『なかった。ていうか何を探してるのかイマイチ分かってないのよね』


ハリーはあ、そっか…と言うとニコラス・フラメルの名前を知った時の話をしてくれた。





「――でその犬の守ってる物がニコラス・フラメルが関係してるんだ」

『ふーん。なるほどね。さっきハリーどこかで見た名前とか言ってたよね?』


「うん。そうなんだけど、思い出せないんだ」

『あれじゃない?辞典とかじゃなくてさ、なんか人物紹介的ななんかを見たんじゃない?』

私の言葉に首を傾げるハリー。

「人物紹介?うーん…そんなの見たかな」


そこにロンとハーマイオニーが「なかった」と示すように首を振りながら図書館から出てきた。



そして私達は昼食へ向かった。

「私が家に帰っている間も続けて探すでしょう?見つけたら、ふくろうで知らせてね」


「君の方は、家に帰ってフラメルについて聞いてみて。パパやママなら聞いても安全だろう?」


とロンがハーマイオニーに言った。

「ええ、安全よ。二人とも歯医者だから」


『え!?歯医者なの!?』

「ええ。そうなの」

『私歯医者さん苦手何だよね〜。あのキィーンって音がコワい!』



私はあの耳につく音を思い出して、身震いする。


「君にも怖いものがあったのかい?」

『今普通に失礼な事言ったね』

そんなロンの頭を小突いてやった。

「あら、言うほど痛くないわよ」


私はこればかりはハーマイオニーの言う事を素直に受け入れられなかった。







第6章 了

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