賢者の石

□第6章
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魔法薬のクラスを終えて地下牢を出ると、行く手の廊下を大きな樅(モミ)の木がふさいでいた。

木の下から2本の巨大な足が突き出して、フゥフゥ言う大きな音が聞こえたのでハグリッドが木を担いでいる事がすぐに分かった。

『でっかい木ね〜』

「やぁ、ハグリッド、手伝おうか」

ロンが枝の間から頭を突き出して尋ねた。

「いんや、大丈夫。ありがとうよ、ロン」


「すみませんが、そこどいてもらえませんか」

後ろからマルフォイの気取った声が聞こえた。


「ウィーズリー、お小遣い稼ぎですかね?君もホグワーツを出たら森の番人になりたいんだろう―――ハグリッドの小屋だって君達の家に比べたら宮殿みたいなんだろうねぇ」


『ドラコっ!』

私とロンがドラコに飛びかかろうとした瞬間、スネイプが階段を上がってきた。

「ウィーズリー!トビカイ!」

ロンはドラコの胸ぐらを掴んでいた手を離した。

私はまだ頬をつまんでいる。


「スネイプ先生、ケンカを売られたんですよ」

ハグリッドが大きな顔を木の間から突き出してかばった。

『そうよ!コイツが喧嘩売ってきたんだよ!喧嘩上等じゃコンニャロ――うわ』


スネイプが私をドラコから引き離した。

「い、痛いだろう!」

ドラコは赤くなった頬をさすっている。


「マルフォイがロンの家族を侮辱したんでね」

「そうだとしても、喧嘩はホグワーツの校則違反だろう、ハグリッド。ウィーズリー、グリフィンドールは5点減点。これだけですんで有り難いと思いたまえ。さあ諸君、行きなさい」

スネイプがよどみなく言い放った。

マルフォイ、クラッブ、ゴイルの3人はニヤニヤしながら乱暴に木の脇を通り抜け、針のような樅の葉をそこら中に撒き散らした。


「覚えてろ」

『ポンコツたぬき!』

ロンはマルフォイの背中に向かって歯ぎしりした。


「いつか、やっつけてやる………」


「マルフォイもスネイプも、2人とも大嫌いだ」

とハリーが言った。

『一発いれてやれば良かった』


「さあさあ、元気出せ。もうすぐクリスマスだ」

ハグリッドが励ましてくれた。

「ほれ、一緒においで。大広間がすごいから」


4人はハグリッドと樅の木の後について大広間に行った。

マクゴナガル先生とフリットウィック先生が忙しくクリスマスの飾りつけをしている所だった。



「休みまであと何日だ?」

ハグリッドが尋ねた。


「あと1日よ」

ハーマイオニーが答えた。

「そう言えば――ハリー、ロン、リョウ、昼食まで30分あるから、図書館に行かなくちゃ」

「ああそうだった」

『図書館?何で?』

「休み前なのに?おまえさん達、ちぃっと勉強しすぎじゃないか?」

ハグリッドは4人について大広間を出た。













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