賢者の石
□第3章
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「まさか!」
夕食時ロンはステーキ・キドニーパイをフォークにさしたまま叫んだ。
「シーカーだって?だけど一年生は絶対ダメだと……」
『私もメンバーになったのよ!』
「うん。じゃあハリー君、」
『私もメンバーになったのよ!』
ロンはステーキを皿に落とし両手で耳を塞ぐ。
「分かってるよ、そんなに叫ばなくても…君は勿論凄いさ!君は別の世界から来ただけでも凄いよ。しかも全ポジションだろ?
でも僕は今寮代表選手の最年少は何年来か聞こうとしたんだ」
「………百年ぶりだって。ウッドがそう言ってたよ」
ハリーは口にパイを掻き込む。
お腹空いてたのかな?
『来週から練習が始まるの』
「誰にも言うなよ。ウッドは秘密にしておきたいんだって」
モグモグと口を動かし続けるハリーが何だか面白い。
『ハリー、ホッペにパイが付いてるよ』
「え?」
手を伸してハリーの頬に付いたパイの欠片を取る。
ハリーは顔を赤くしてありがとう…と呟いた。
うん。可愛い☆
「「やぁ姫!どっちがどっちでしょうか!」」
『今肩に手を置いた方がジョージでそうじゃないほうがフレッド』
「わぉ!当りだよ!」
2人どころかロンとハリーまで驚いている。
「ママでも見分けがつかないのに」
ロンは君凄いよ、と首を振っている。
『ありがと。昔からこういう事は鋭いのよ!』
私はローストチキンの刺さったフォークを突上げた。
「そうだ…ウッドから聞いたよ。僕たちも選手だ――ビーターだ」
「今年のクィディッチ・カップはいただきだぜ」
今年は抜群のチームになりそうだ。
と楽しそうに話すフレッドとジョージは私に向き直る。
「リョウはどこのポジションなんだい?」
「詳しく聞いてないんだけど」
姫は僕たちが守る!とか何とか言ってる。
私が守られなきゃならないゲームなの?
『私補欠だよ?試合に出る事ないと思うけどな』
「「Σ!!!」」
え?
何をそんなにショックうけてんの!?
ガーン!て効果音聞こえた気がする……
「リョウとの連携プレイを期待してたのに!」
「ショックだー!誰か降板させよう!」
「ちょっとちょっと!やめて!?無理矢理降ろそうとさせる考えやめて!?」
私、試合に出られる程上手くないから絶対!
『私は影から応援するからさ』
2人して肩を落として、リー・ジョーダンのとこに行ってくる、と行ってしまった。
「リョウ、相当気に入られてるね」
まぁ嬉しいけど………
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