賢者の石
□第3章
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ウッドの視線がハリーと私へと注がれている。
人気のない教室に私達は入るとピーブスが黒板に落書きをしていた。
「出て行きなさい、ピーブス!」
ピーブスはチョークを放り投げ捨て台詞を吐いてスイーッと出て行った。
「ポッター、リョウ、こちらはオリバー・ウッドです。ウッド、シーカーを見つけました。それにきっと役に立ってくれるであろう人もです」
ウッドの表情がほころんだ。
「本当ですか?」
「間違いありません」
先生はきっぱりと言い張った。
「この子の場合生まれつきそうなんです。あんなもの私(わたくし)は初めて見ました。ポッター、初めて何でしょう?箒に乗ったのは」
ハリーは黙って頷いた。
私はやっと意味が分かってきた。
ほら、あれだ。
ク、クジッチかクリッチか忘れたけど箒に乗り回す競技の事だ。
↑色々間違ってる
ハリーはさっきの思い出し玉を追いかけたシーンをマクゴナガル先生が見ててプレイヤーになるんだ。
確か、一番凄いポジションだったはず。
……じゃあ、私は??
ただの付き添いかい?
「そしてリョウも素晴らしい腕の持ち主ですよ。初めてにも関わらずしかも人一人抱えてあの安定感。しかも冷静かつ素早い動き……!」
「凄いな……マクゴナガル先生がこんなに興奮するなんて」
うわ、私めちゃ褒められてる!
て、照れてるんだけど//
『アザーッス!』
「先生、この子にはどのポジションを?」
「今は定員いっぱいですからリョウはどのポジションにも対応出来るよう鍛えてください」
『ハハッ、私も?』
あれ?私の意見聞かずしてメンバー入りですか?
「そうですね、調教します。美人ですから注目度も高くなりますよ」
ちょっと、ちょっと!
調教って、言葉選び間違ってません!?
動物に使って下さいよ!
これでも人間なんですけどー!
という私の心の声は誰にも届かず、話はポンポンと障害なく進み、私は全てのポジションの補佐&代任になったのでした。
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