賢者の石

□第3章
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ハリーは“思い出し玉”を追いかける。


何人かの人が悲鳴をあげている。


急降下していき地面スレスレの所で玉を掴んだ。


間一髪で箒を引き上げて草の上に軟着陸した。


その手にしっかりと“思い出し玉”を握って。



『――は…!』

ハリー!と駆け寄ろう手したが大きな声に遮られた。


ハリー・ポッター……!


マクゴナガル先生だ。

ハリーは怯えているようだ。

「まさか――こんなことはホグワーツで一度も……」


マクゴナガル先生は何かブツブツ言っている。


「……よくもまあ、そんなたいそれた事を…首の骨を折ったかも知れないのに――」


「先生、ハリーが悪いんじゃないんです……」


パーバティ・パチルがハリーを庇おうとするが、先生に咎められる。


続けてロンも何か言おうとしたが、私が押し退け前に出る。



『マクゴナガル先生、待って。ハリーは本当に――』


「ポッター、さあ一緒にいらっしゃい。ミス・リョウ、あなたもです」



…………え?



『えっ!!?』




呆然としている私の手を引き、ハリーを後ろに連れて大股で歩いて行った。



『(ちょ、何で私もなの!?私が翔んだのはフーチ先生のいる時なのに!)』


ハリーは顔を真っ青にして、心ここにあらずといった感じだ。



多分退学させられるとか思っているのかもしれない。


フーチ先生がそんな事言ってたもん。



私ならまだしも(言われる前に翔んだんだから関係ないはずだけど)ハリーが退学になる事は無いだろう。


トモちゃんも言ってたし、何しろ主役だしね。


マクゴナガル先生は教室の前で立止まり、ドアを開けて中に首を突っ込んだ。


「フリットウィック先生。申し訳ありませんが、ちょっとウッドをお借り出来ませんか」


――ウッド?

―――木の事??


私、叩かれるの!!?



ハリーも同じ事を考えていた。





しかしそんな心配を余所にウッドは人間でたくましい人だった。


ウッドも何事だろうという顔をしていた。



「三人ともついていらっしゃい」















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