賢者の石
□第7章
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私達はクリスマス休暇を迎え、楽しみすぎてロンもハリーもフラメルの事を忘れているようだった。
人の少なくなったホグワーツは自由が利き、私もそこそこ満喫していた。
ロンにチェスを教えて貰ったのだが、私の腕は壊滅的だった。
そしてついに明日がクリスマスだ。
つまり今日はイヴ。
日本とは違ったクリスマスを楽しみにしていたし、魔法使い達が一体どんなプレゼントをあげて楽しむのか興味があった。
ワクワクしながら眠り、朝目を覚ますとベッドの周りにプレゼントの山があった。
『うわ!私この世界に知り合い少ないのになー』
ベッドの横に山ほどプレゼントが置いてあるのなんて、一般家庭の子どもが聞いたらどんな顔をするだろう。
魔法界の常識は本当に怖い。
『わ、マクゴナガル先生だ…』
中を開けると黒くて長い布が出てきた。
『マントね。私がいつまでもセーラーでいるから気を使ってくれたのね、きっと』
鏡の前で羽織ってみると私の背丈にぴったりだった。
『これは…ハグリットから。梟の置物ね』
木を彫って作ったそれは手作りのようだ。
リョウへ
メリークリスマス
ハグリットより
とつたない字でかかれたカードが添えられていた。(私だってこれくらいの英語は読める!)
ハーマイオニーやロンやハリー、他にもいろんな人からプレゼントを貰った。
双子なんかしゃっくり飴を贈って来ていた。
私をどうしたいんだ。
ほんとに。
そして驚きだったのはドラコがプレゼントを贈ってきていた事だった。
『うわ…意外だなー』
私も迷ったけどドラコにプレゼント贈っておいて良かった。
ドラコへのプレゼント選びには一番気を使った。
私は魔法界のプレゼントなんてどんなのか知らないし、純血主義のマルフォイ家にマグルのもん渡すわけにいかないからね。
なんてめんどくさい!
『ハリー達起きてるかな?』
私は服を着替え、鞄を握って談話室におりていく。
「あ、リョウ、メリークリスマス」
「メリークリスマスリョウ」
階段を下りきる前にハリーが私に気づき、2人は笑顔で挨拶してくれる。
私はハリーとロンの間に無理やり座ると、鞄から小さい袋を取り出す。
『メリークリスマス!はい、プレゼント』
私はホグワーツに残る人には手渡ししようと決めていた。
「ありがとう!」
「ありがとう。僕君からは貰えないのかと思ってた」
『ふふ、手渡ししたくて』
「開けてもいい?」
『勿論!どうぞ』
ハリーとロンは袋のリボンをほどく。
「これ…何?」
「うわークッキーだ!リョウが作ったの?」
『イェース!私さ意外と料理出来んだよ。あ、自分で意外とか言っちゃった』
ロンは1つつまみ上げると、色んな方向から見つめはじめた。
「これがクッキー?ママが作るのと全然違う」
『マグルが作るようなお菓子だから、動いたり変な味したりしないよ』
ロンは大いに興味を示し、ハリーはそれを横目に私の作ったクッキー口に運んでいた。
「うわ!本当に普通の味だ!でも美味い!」
「本当に美味しいよ!」
『サンキュー!ハリーもロンもプレゼントありがとう』
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