おはなし

□かわいいひと
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お昼ご飯をおなかいっぱい食べたスモモは、のんびりと食後の散歩をしていた。
その帰り道に、親とはぐれたのか、心細そうな鳴き声を上げて震えている子どもビッパを見つけた。

スモモはそのビッパの所へと駆け寄る。するとビッパはビクッと体を震わせ、スモモを見上げたまま固まってしまった。
「あ、大丈夫よ」
怯えているビッパを安心させようとスモモはしゃがみ、手をビッパへと差し出した。

しばらく固まっていたビッパだったが、"たんじゅん"な為か、すぐに警戒を解いて顔を近づけスモモの手のひらを頬ずりし始めた。
「ありがとう。いい子ね」
スモモはビッパの頭をそっと撫でて辺りを見まわした。
今のところ、このビッパの親はいないようである。

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