おはなし

□おかえり、ただいま
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今日はスモモちゃんが遊びに来てくれたのに、突然仕事が入ってきて、ボクは炭鉱へ行かなければならなくなった。
「ゴメンね、せっかく来てくれたのに。すぐ終わらせて帰るから」
「はい。お仕事頑張って下さいね」
玄関でスモモちゃんがボクを見送ってくれる。
「じゃあ、行ってくるね」
「行ってらっしゃい、ヒョウタさん」



仕事を死ぬ気で終わらせて、ボクは自宅まで全速疾走した。玄関のドアを開けると、スモモちゃんがボクを笑顔で受け入れてくれた。

「おかえりなさい、ヒョウタさん」

スモモちゃんの笑顔と声と、その何気ない言葉が、ボクを癒してくれる。

「ただいま、スモモちゃん」
ボクも笑顔で答える。

今不意に、ボクの脳裏に気恥ずかしい言葉がよぎる。

「ボクたち、夫婦みたいだね」


……何を考えているんだ。

でも、本当にそうなったら、ボクは毎日家に帰るのが嬉しくて仕方ないだろうな、きっと。

スモモちゃんはどうだろうか。

……ボクの……

「ヒョウタさん?」
スモモちゃんが動かなくなったボクを心配してくれてるのか、声を掛けてくれた。

「…ハッ!ご、ごめん。つい考え事を」
「お仕事で疲れたんでしょう。さ、中に入りましょ……って、あたしの家じゃないけど」
そう言いながら苦笑するスモモちゃんが可愛すぎて、ボクはKOされた。
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