短編

□写真
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「…虎鉄、とりあえず手離しちゃらんね。震えとうよ」
「oh!そりゃすまねーNa」

猪里先輩の言う事に従い、私の顎からゆっくりと手を放す虎鉄先輩。

あー、びびった。ホント怖かった。やっぱり先輩達って迫力あるわ。

私は目の前でにこにこと微笑む猪里先輩を見ながら、自分にこの命を下した梅星先輩を少しだけ恨んだ。

「で、何しとったんね、こんなところで」
「え、あ、あの、先輩がいい経験になるから野球部の写真を撮ってらっしゃい、と申していたので…」

少しだけ梅星先輩の真似をしながら言うと二人の顔が一気に呆れ顔になる。

あれ、似てなかったかな。

「でも隠し撮りは良くねーNa」

先ほどとはうって変わって微笑みながら頭を撫でてきた虎鉄先輩。

「すみませんでした…」

私が素直に謝ると、二人はとてもいい笑顔を向けてきた。

「許してやるからオレ達のかっこいいとこ撮ってくれよNa!」
「おいは遠慮しとくばい」

ウインクを飛ばしながらそう言った虎鉄先輩と、虎鉄先輩の言った言葉に苦笑気味に笑った猪里先輩はとても楽しそうだった。


写真

その後の練習試合で大活躍した先輩達の写真を私はフィルムいっぱいに収めました。

(名無しさん、よくやってくれましたわ(喜))
(先輩、次は沢松に行かせて下さいね)
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