短編U

□あなたに初電話
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買い物を終え帰る途中に取り出す最近買った携帯電話。
普段あまり使わない携帯電話の履歴は、未だ誰の名前も表示されていない。
実はこれ、剛博士に改造してもらった特別仕様なんです。

「もしもし?ミーくん?」
「あ、ななしちゃん?どうしたの?」

3のボタンを三回押すと、ミーくんへと繋がる携帯電話。
これは家に電話が無い剛博士が、何かあった時のためにとつけてくれた機能だ。
もちろん、ミーくんから私の携帯電話へと繋げる事も出来る。

「ミーくん、今何してるの?」
「今はゴーくん達と今日の晩御飯を釣ってるんだー」

ミーくんの声の後ろから、波の音とコタローくんと剛博士の声が聞こえる。
釣れないねー、というコタローくんの呟きまでばっちり聞きとれる。
さすが剛博士。

「あんまり釣れてないみたいだね」
「う、うん…」
「そんな事だろうと思って」

ぴ、と携帯の電源を切り、ミーくんの隣りへと腰かけた。


あなたに初電話


(差し入れ持って来たよ)
(やったー!)

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