短編U

□カードゲーム
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「なっ、何ですかその罰ゲームは!」
「何って、そんなに怒る事じゃないと思うけど」

ぺしーんと持っていたカードをテーブルに叩きつけた翠星石は顔を赤くさせながらそう言った。
いきなり大声を上げた翠星石に驚いて、私は軽く耳を塞ぐ。

「メイド服着て猫耳付けろって言ってるわけじゃないんだからさ」
「だからって語尾ににゃをつけろだなんて!」

ホントは夕飯を作ってほしかったんだけど、ゆで卵を電子レンジで作ろうとした翠星石の事だ、きっとまた何かやらかすに違いない。
夕飯がスコーンになるなんてごめんだし。
恥ずかしいからなのか負けて悔しいからなのか、顔を赤くさせている翠星石をじっと見つめた。

「翠星石もう一戦、やる?」
「や、やってやるですぅ!」
「ただし、」
「?」
「負けたら、猫耳にメイドね」

この間草笛さんに渡されたメイド服をタンスから出して、猫耳と共にベッドの上へと置く。
それを見た翠星石はばらばらに散らばったカードを集めていた手を止めて固まった。

「な、なんでそんな服がななしの家にあるんですか!?」
「この前草笛さんと道でばったり会っちゃって。その時に渡されたの」
「ううう嘘つきやがれですぅ!」
「ま、いいじゃんそんな事はさ。んで、やるの?やらないの?」

口元を上げて挑発的な目で翠星石を見る。
一瞬むっとした表情になった翠星石はぶんぶんと首を振り、深呼吸をした。


カードゲーム


(その勝負、受けて立ってやるですぅ)
(お、そうこなくっちゃ)

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