短編U

□三人そろえば
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「さあ!今夜は飲むわよー!」
「おー!」
「おー…っていうか昨日も散々飲んだじゃないですか」
「そんな堅い事は言いっこなしよ、ななし」
「わ、わかりました」

宣言する前から飲み始めていた乱菊さんに聞こえないように呟いたはずだったが、どうやらしっかり聞こえてしまっていたらしく、大きな徳利片手ににっこり微笑まれてしまった。
そんな乱菊さんの後ろでは、酔いが回ってしまっている吉良副隊長が、檜佐木副隊長にお酒を注いでいる。

「あら、今日はいい飲みっぷりねぇ、アンタ」
「今日はとことん飲みますよ!」

明日の仕事に差し支えない程度にしてくれるとありがたいでーすなんて思いながら、湯のみに注がれたお酒を少しだけ飲んだ。…何で湯のみ?

「あの、乱菊さん…」
「ん?」
「何で私のって湯のみなんですか?」
「あんまり飲ませない様に、ってうちの隊長に言われてんのよ」

つまんない、とでも言いたそうに乱菊さんは唇を尖らせた。
日番谷隊長、ありがとうございます…!

「まぁ、ななしがどうしてもって言うんなら仕方ないわよね」
「え?あの、そんな事一言も…」
「さ、飲むわよー!」
「おー!」
「ちょ、お二人も悪乗りしないで下さいよ!」

再び上機嫌で飲み始めた三人に、私は隠れてため息をついた。


三人そろえば


(吉良、大丈夫か?)
(ま、まだまだぁ!)
(今日はホントによく飲むわねー、アンタ)
(副隊長大丈夫かな…)

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