短編U

□いつもの朝
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窓から差し込む光で目を覚ました私が、一番最初に見たものは壁だった。
どうやら寝相の悪い私は布団から出て壁際まで転がってきたらしい。
私はふと、自分に掛けられているタオルケットに目を向けた。

…布団から転がり出たのに何故タオルケットがかけられているのだろう?

寝ぼけた頭で数秒考えてから、反対方向へと身体を向けると少し寒そうにしている背中が見えた。
音を立てない様にゆっくりと起き上がると、未だ眠っている花の隣りへと寝転んだ。
タオルケットを花にかけて、私もその中へと身体を納める。
背中に感じる暖かさに、私は再び目を閉じた。

いつもの朝

(ななしさん、起きて下さい!遅刻しちゃいますよ!)
(ん?んー、……)
(あぁっ、寝ないでください!)

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