□相変わらず貴様は
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慶次



お前はきっと、分かって
いないのだろう。
こんなにも儂が
お前に飢えている事を。
柄にもなく儂が
お前に惚れている事を。

それを伝えるつもりは
ない。
分からせるつもりは
ない。
ただ、うっすらと
気付いてくれれば儂は
それで満足なのじゃ。

儂がどんなにお前を
欲しても、
手に入れたとしても
お前は儂から
離れていく。

遠い、遠い。
近くにいるのに。
おかしな奴じゃ。

ただ、儂はお前を
一人にはさせぬ。
苦しませたり
泣かせたりはさせぬ。
それだけは誓おう。

お前は優しいから
一人だけの奴の為には
生きられぬじゃろう。

何処にでも行くがいい。
だが、約束しろ。
帰ってくる場所は
此所じゃと。

この伊達政宗の
ところだと。






相変わらず
貴様は


(儂を見ていない)






たとえ、ずっと
そうだとしても。





 
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