□結局惚れてる
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「殿、一回殴っていいですかね」

「駄目だ」

あの後も三成は
行為を止めなかった。
こんな細い体のどこに
そんな体力があるのか。
左近は呻く。

やっと三成のものが
抜かれた頃には
左近は白濁に塗れて
意識を失っていた。

先程やっと意識が
戻った時には
体は清められており
何事もなかったような
涼しい表情で三成は
机に向かっていた。

とりあえず掠れた声で
殴っていいかと聞いたら
案の定、否定された。

三成は筆を置いて
ゆっくり振り返った。
その顔はやはり美しく
とても自分のような男を
抱いているなど思えない。
普通は逆だろう。
思わず溜め息を吐くと
三成は眉を寄せた。

「左近、余計な事を考えるな」

「俺にとってはかなり重要な事なんですが、ねえ」

「どう足掻いてもお前は俺の下だ」

「…バレてましたか」

「まだ躾が足りないようだな」

妖艶な笑みを浮かべて
ジリジリと近付く三成に
左近は笑顔を
引きつらせた。

「ちょ、今宵はもう勘弁してくださいよ」

それでも伸びて来る
意外にも鍛えられた
腕に左近はもう
どうしようもない、と
苦笑いした。









結局惚れてる

(惚れた弱みってのは、怖いねえ)












 
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