□只、いとおしい
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ある昼下がりの
佐和山城では
幸村と兼続が
泊まりに来ていた。
今日でもう
三日目になる。

いつも眉間に皺を
寄せている三成も、
友が毎日傍にいてくれて
嬉しそうであった。

「…チッ!チッ、チッ、チッ!ヂィっ!ヅィッ!ズィズィッ!」

「Σ全然不機嫌じゃないですかぁあ!なにその後半からの舌打ち!?怖っ!!」

何時に増しても
不機嫌そうに、
しかも舌打ちを
連続している三成に
左近は困っていた。

「せっかくお二人が泊まりに来ているというのに…もうちょっと愛想良くしてくださいよ」

「ふん、今はアイツらが風呂に入っているからこんななのだよ!!馬鹿め!!」

「政宗さん降臨してますけど!?はあ…どうしてそんなに不機嫌なんです?」

小首を傾げる左近を
三成は恨めしそうに
睨んだ。

「分からないのか?左近」

「分かりませんよ」

「アイツらが来ているからお前とピーとかピーとかできないのだよ!!」

「…ああ」

「Σ左近!!なんだその冷たい目は!!」

「いいんじゃないですか、別に。毎夜毎夜ヤられてたら左近も身がもちません」

「俺が嫌なのだよ!!左近、もう限界だ、今すぐ抱かせろ!」

「はああ!?嫌ですよ、幸村達が戻ってきたら…ぎゃあ!どこ触って…っうあ」

「ヤ ら せ ぬ よ !!」

今にも三成が左近に
覆い被さろうと
していたその時、
お馴染みである
兼続の台詞と共に
スパァーン!!と綺麗に
部屋の襖が開かれた。

そこには腰にタオル
一枚だけを巻いて
片手にはアヒルちゃんと
石鹸の入った桶という
お風呂上がりスタイルな
兼続と幸村がいた。
二人が息を荒げて
やけに傷だらけなのは
きっと女中達に
やられたのだろう。
彼女達からしたら
顔が良しとしても
完璧な露出狂である。

三成のイライラが
ピークに達しそうな
瞬間だった。
三成は名残惜しそうに
左近から退いた。

「チッ…全く貴様らはいつも邪魔ばかりしおって…」

「(た、助かった…)」

「三成!!お前がそのような不義な輩だったとは!!」

「ハアハア左近殿ハアハア今助けます」

「…いや幸村、近寄るな。なんか怖い」

「Σ息が荒いのは走ってきたからです!!」

妙な展開になってきて
三成の機嫌はさらに
悪くなっていく。

「おい…兼続、幸村。貴様らもしかして俺と左近の愛の巣を邪魔したくて泊まっているのではないだろうな?」

「「ギクゥ!!」」

「わざわざ声に出さなくても…分かりやすい人達だ」

苦笑いを浮かべて
呆れる左近の横で
三成のイライラゲージは
静かに爆発していた。

「き…ら…ゆる…ぞ」

「え?殿、なにか言いました?」

「きさ…らゆ…る…ん」

「三成、肩が震えているな。寒いのか?お前はすぐ風邪をひくからな」

「いいえ兼続殿。ケフィアです」

「幸村。下手に笑いを取りに行くな」

「え?勝手にイクな?そうですよね左近殿は私と一緒にイキたいんですよねしょうがないなあ〜顔がいいですか?中がいいですか?」

「なんの話だ」



ぶちん、



「ん?なにか切れry」

「貴様ら許さんぞぉおおおお!!!!!!!!」

「「Σぎにゃああああ」」

「Σうわああ!?殿落ち着いて!ラリアットは駄目ですってええ!!!!!!」



今日も平和な
佐和山城と主従と
愉快な仲間達でした。








(殿、もうやめてください!!二人のHPは0ですよ!!)
(構うものかあああ!!)









 
 

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