「やあ。ようこそホウエンへ!」
「げ!どうしてここに…?」
「カントーから来るならこの港が一番近いからね。」
「そうでなくて何故私がホウエンに来ると…?」
「……ホウエンは初めて?案内するよ!」
「今の間は…」
「いいからいいから!トクサネ宇宙センター見に行こうよ!」
「宇宙センター?それは見たいか、」
「隕石見よう!」
「見ません。」
「え、今ちょっと乗り気だったよね?」
「ニビ博物館での長時間に及ぶオタトークを思い出したもので。」
「あの時は頷いて聞いてくれたじゃないか。」
「頷くしかなかったんですよ。察してください。」
「…じゃ、じゃあミナモデパートでショッピングにしようか。何でも揃ってるよ!確か三泊四日だよね?明日はムロタウンの、」
「何故三泊四日だと?」
「……ムロタウンのいしのどうくつもいいよ!選り取り見取りだ!石が!!」
「先月タマムシデパートでセールやってて選り取り見取りだったんで。」
「久しぶりに会ったのに冷たいね…。」
「三日前にカントーで会いましたよね。」
「僕は一秒たりとも離れたくないんだ!」
「だからストーカーですか。」
「そ、そんな、まさか僕がそんな事…」
「まあいいです。私ホウエンの味覚を食べ尽くす予定なんで邪魔しないでくださいね。」
「あ、ちょ、待って!僕もこれから四日おやすみだから一緒に…」
「長い休暇ですよね。ずっと。」
「ご、誤解だよ!僕はちゃんと仕事してるよ!」
「じゃあお仕事がんばってください。じゃ。」
「ま、待って待って!絶対僕と回った方が楽しいよ!」
「……。」
「ね、僕のエアームドは速いし乗り心地もいいよ!」
「……。」
「旅行雑誌通りの旅行なんてつまらないでしょ?」
「…何ですかこの手。」
「…僕に、エスコートさせてよ。」
い紳士!
「…石は無しですよ。」
「…、頑張るよ。」
100803