いろいろ6
□ねえねえちょっとちょっと
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1
「ねえねえちょっとちょっと。」
「何でしょう?」
「………。」
「ゲンさん?」
「…いや、人は誰でも間違えるものだよね。」
「どうしたんですか。まだ一試合なのに悟っちゃって。」
「…何でもないよ、次もがんばろうね。」
「?はい。」
2
「ねえねえちょっとちょっと。」
「はい?」
「…その、君は私のことが…嫌いなのかい?」
「…どうしたんですか突然。出会ったばかりで嫌いも何もないですよ。」
「そうだね、私たちはまだお互いのこと何もしらないものね。」
3
「ねえねえちょっとちょっと。」
「何ですかゲンさん。」
「どうして相手が明らかに物理技しか持ってないのに君のデンリュウはひかりのかべを使ってるんだい。」
「…万一に備えています。」
「…そう、…あ、ありがとう。」
4
「ねえねえちょっとちょっと。」
「何ですか?」
「きみのデンリュウのじゅうでん、あれはちょっと頂けないのだけれど…」
「何言ってんですか。デンリュウの電気技はじゅうでんから入るのが常識ですよ。」
「…そう…。」
5
「ねえねえちょっとちょっと。」
「何ですか!もう!」
「ごめんね。…えーっと、私のルカリオがね、とても落ち込んでいるのだけど…。」
「励ましてあげてください。親でしょう?友達でしょう?」
「…それと、あの、君のデンリュウとシャワーズもとても気まずそうに俯いているのだけど…。」
「大丈夫、こっちは何とかしますからゲンさんはルカリオを!」
「…そうだね…。」
6
「ねえねえちょっとちょっとちょっと。」
「何ですかー!もぉー!」
「最後の試合の前に作戦を立てよう。」
「ええ!今さらですか?ここまで上手くやってきたのに!」
「…突っ込むのは止めておくけど、…作戦は簡単だよ。」
「?」
「君のデンリュウのほうでんとシャワーズのなみのりは無しでいこう。」
「え!何勝手に決めてるんですか!」
「タッグバトルで使うとパートナーも巻き添えだからだよ。」
「ゲンさんのポケモン、強いじゃないですか。」
「…その強い子達はさっきから君のポケモンに戦闘不能にされてるんだけど。」
「一試合ごとに回復だってされるし…。」
「人と同じく、ポケモンにだって治らない傷はあるんだよ。それにほら、後ろのサポートの人ちょっと涙ぐんでるよ。」
「気のせいです。」
「…失礼だけど、君、タッグバトル苦手でしょう。」
「団体行動苦手です。」
「斜め上だね。」
「むしろ真上です。」
「…はあ。それで、何で君はわざわざバトルタワーでマルチバトルを選んだんだい?」
「……が、……から。」
「…え?」
「げ、ゲンさんが、入るの見たから!」
「……え?」
「……。」
「……えぇ!?」
「…さあ、七試合目をはじめましょう。」
ねえねえ
ちょっとちょっと。
(それは、一目惚れってことかい?)
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