短編集

□ヤキモチ妬き NA←O
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にのがうらやましかった。
相葉ちゃんを独占しているにののことが。


いつも笑顔な相葉ちゃんだけど、にのといるときはより輝いて見えて――…それは、翔くんも松潤もわかっていたと思う。だから、つい意地悪したくて相葉ちゃんの前でにのにくっついていたんだよね。

それは俺もなんだよ。
相葉ちゃんに構ってほしくて、わざとにのに近づいていたんだ。

……にのもわかってたんだろうなぁ、知らなかったのは相葉ちゃんだけだよ。

なにもしないからって、なにも思ってないとは違う。
にのはいつも相葉ちゃんを見ていたんだよ?
いつも一緒にいたんだよ?


大好きだったから、いつもそばにいたんだよ。
他の人と楽しそうにいる相葉ちゃんを見て、気づかなかったの?

にのが淋しかったことに。

でも、俺はそれが俺でいたかった。
どんな形でもいいから、相葉ちゃんの特別な人になりたかった。

「相葉ちゃん……ずっと」


好きだったよ。



そんなこと言えないから。


「にのは相葉ちゃんが好きだったよ」

なんて言う。
嘘じゃない。
でも、俺の伝えたいこととは違う。


「だからさ、にのに好かれてる自信をもってよ」


哀しい。
でも、笑わなきゃ……相葉ちゃんが泣いたままだろう?

俺は笑ったきみが好きなんだから。


「だからさ、笑って?」

顔を包み込んで、覗いてみると……


「……ありがと、りーだぁー」
涙は溜まっているけど、少しの笑顔が見えた。

よかった……

俺、相葉ちゃんがにのを見ていてもいいや。だって、一番にのといるときが楽しそうだからさ。


「どういたしまして!」

「えへへ…りーだー、大好き!」

にの、ごめんな?
どうかいまだけは許して。


「俺も大好きだよ!」


抱きしめあって、伝わってきた体温は仲間としてのハグ。

叶うことのない恋心。

つまんない妬きもちをした意地悪も今日でおわり。
いままでたくさん嘘をついてごめんね?

でも、幸せな笑顔を見られるだけで、俺はもういいから……


ただ、本当に大好きだったことだけは嘘じゃない。
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