短編集
□恋人ごっこ OA
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いつも。
俺が好きだよっていっても、君はりーだー冗談でしょ?って笑う。
どうして本気に見られないんだろう?
俺は本気で君が好きなのにな。
そろそろ君を本気にさせなくちゃ。
「相葉ちゃん、恋人ごっこをしようよ」
ふたりっきりの楽屋。
俺はいつも通り軽く誘ってみた。
「いいよーっ♪まいだりーん笑」
ほんと相手にされてない。
でも、まいだりーんってことは、俺が男役ってことでいいんだね?
確かめると、無邪気に相葉ちゃんは笑う。
そして、よそよそと俺に寄る。
「りーだぁー好きだよ♪」
軽いノリ。
そっちがその気なら、こっちだって。
「俺も……」
そこまで言いかけて、
これは恋人ごっこなんだと頭の中で再確認する。
「俺も?」
その先を確かめたいきみ。
でも、それは“遊び”の最中だから。
「ねぇ、りー……っ!?」
あ。柔らかい。
抵抗する頭を抑えて、ソファーの上に押し倒す。
俺は跨がって彼に乗り、そのまま両手を掴んだ。
唇が離れた瞬間、見えたのは信じられないという顔。
「なんで……っ!?」
「恋人ごっこだから」
くすっと笑って言う俺は、自分でもおかしいと思う。
「やだっ……りーだー、俺男だよ!?」
ああ、そんなこと気にしてんの。
言っとくけどね、相葉ちゃん。
翔くんもにのも松潤も、相葉ちゃんのことそういう対象で見てないからさ。
いまさら、そんなこと関係ないんだよね。
「ごっこだって、ごっこ」
それでも、遊びだと思わせる。
恋人ごっこ中だから、
いましかできないことをやろうよ。