短編集

□眠り姫 S→A
1ページ/2ページ


「すーすー……」

さっきから聞こえるこの音。
持ち主はソファーで安らかに眠っている相葉ちゃん。


触れたいだなんて思う俺は変態かな……でも、それぐらい無防備で可愛い寝顔。

俺はあるまじきことか、そんな彼に恋心を抱いています。
絶対叶わないって、自分でも思うけどね、諦めきれないからマジ困る。


「翔さん」
にのがぼそっと呼んだ。
目はDSに向けたままでいる。
「相葉さんを変な目で見ないでください」


…………はい??

「見てねぇよ!」

「見てましたよ!」
「「見てたから……」」

「リーダーと松潤まで!!」

「翔さん、声!」

「って言ったにのの方が大きいよ!」


「んっ…………」

その声に誰もが反応した。
相葉ちゃん、起きちゃった!?

「…………すーすー」

セーフ……


「翔くんが大きな声だすから……」

「うぅ〜ん……??」


さ、智くん!!
気をつけろよおおぉ!!

相葉ちゃんが起きちゃ……

「…………すぅ……」


セーフ!!


「気をつけようか、みんな……」

松潤の一言で、俺達は無言で目をあわせ覚悟を決めた。


もう黙ろうか……そう、決めたとき、ドアをノックする音が聞こえた。


「大野さん、二宮さん、松本さん、機材直ったんで撮影入りまーす!!」
すたっふぅ〜!!?
「「「「しぃーっ!!!」」」」


相葉ちゃんが起きちゃうよ!

「あ、すいません……」


「じゃ、いってきますけど」
にのが相葉ちゃんに上着をかけて、俺に目を向ける。

「変なことしないでくださいね、相葉さんに」
言うことってそれかい!!

「わかってるよ!!」

「「「翔くん(さん)、しっ!」」」


そう残して、3人は行ってしまった。


そして、俺は相葉ちゃんと2人っきりに……


「んっ……すーすー…」

大丈夫だよ、さすがに襲ったりはしないし……


「……ぅ〜ん……」

大丈夫だし……

「……ん、うぅん……」

大丈夫だ……

「……う………ん」

誘ってんのかよおおぉぉ!!!


ただでさえ危ない俺に、相葉ちゃんは追い打ちをかけた。



「……しょう……ちゃ……」



ぶっ!!
可愛すぎるだろおおぉぉ!!
あ。鼻血が新聞にかかった……



触れたい……
その唇を重ねたいんだ……

どうしよ……いまなら、誰もいないし……キスしちゃってもいいかな……??
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ