短編集
□ヤキモチ妬き NA←O
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この世で一番いらない感情は、嫉妬だと思う。
だって……くだらないと思うし、こんな俺は醜い。
そんな俺、にのだって呆れちゃうよ。
「りーだぁ……」
いつものように、ん〜?と優しい顔をして振り向いてくれるりーだー。ほんと落ち着くなぁ、この顔。
「なぁに〜?」
酒の席だからかな……なんだか、りーだーには話してもいいかも。
「たとえばぁー……大切にされてるなぁと思う人がいるでしょぉ??」
「うん」
「……わかっているんだけどさ、淋しいって思うのは――…」
雫が零れた。
氷が融けるようにぽろぽろ。
あぁ……俺、我が儘だ。
にのが俺を見てくれればいいと思ってたはずなのに。それだけじゃなくなってる。
「にののこと……?」
ずばりと言い当てられた。
「っ……やばっ、止まんなっ……」
「いいよ、そのままで……ね?」
「うん……」
最近、翔ちゃんや松潤にまでにのに触らないでほしくなった。ふたりはそんな風ににのを見ていないってわかっているのに。
俺のにのなんだ!って、独占したい。
でも、そんなこと思ってるのは俺だけ……俺がだれといようがにのはしらない。
好きなのは俺だけ。
「……たとえばさ」
りーだーがくしゃっと頭を撫でる。顔は見えないけど、声から優しさが伝わってくる。
「相葉ちゃんはかっこいいなって思われたい人にはさ、弱いところ見せたい?」
……かっこいいなって思われたい人?
俺なら……にの?
「見せたくないよ……かっこ悪いもん」
「だよね?」
ふわっといつもの笑顔を見せるりーだー。
「どゆ……いみ?」
「にのも同じだよ」
……にのも?
「にのも相葉ちゃんに、かっこ悪いところを見せたくないんだ」
「りーだぁ〜?」
泣いてくしゃくしゃであろう俺の顔にかかった髪をあげた。
「たとえば、俺が相葉ちゃんになにかをしたら……にのは何もしないよ」
――ズキッ。
わかっていたけど、結構きつい。
「でも……何もしないからって、何も思わないってわけじゃないよ」