09/29の日記

14:15
「ガーデン・ロスト」感想。
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「ガーデン・ロスト」
紅玉いづき
メティアワークス文庫

お人好しすぎるエカ、漫画のキャラや俳優をダーリンと呼ぶマル、人気者で少年のようなオズ、毒舌で大人びている病弱なシバ。名ばかりの放送部に身を寄せる4人の女子高生の物語。

なんだかみんな一癖ある少女なんだけど、なんとなく自分にも思いあたるような思考に共感したり嫌悪したり。まぁ高校生くらいの頃にこんなこと一度は考えたよなぁと思うこともしばしば。それを懐かしいと愛おしむか恥ずかしいとか苦々しく思うのは人それぞれなんじゃないかと。

ただキャラクターや設定などを極端にすることで不安定な心情を強調されている部分もあるので苦手な方は苦手かも。決して爽やかではなく、甘さや爽やかさ、苦さなどをどろっと凝縮された感じなので(わかりにくい;)。


客観的にみればその時期特有の一過性のもので愛おしい、羨ましいとも思うのですが、私はまだそこまで達観できないようです(笑)

私は二章のチョコレートブラッドのラストが印象的でした。あと三章のオズの話は好きでした。というかオズという少女に魅力を感じたのかも。一章〜三章までにエカ、マル、オズの物語をそれぞれの章ごとに描かれてその後の章で成長だったり変化が垣間見れたのがよかったです。

ラストが毒舌少女シバなのですが、一番しんどかったです。彼女自身が心身ともにしんどいので。もー本当どの章でも毒を吐きまくるのでいっそ清々しい。もーこのドSゥとか思いながら読んでました(笑)というかその行為が自身も追い込んでいるんだけどなぁ。最後が予想以上に丸くなってしまったのでちょっと残念。少しは毒を残しておいて欲しかったかな、個人的には。でもあれが本心なんでしょう。最後まで闘おうとする弱くて気高い獣のようで、嫌いじゃなかったです。

花園にいる少女たちは愛おしくて壊れやすくて繊細で、人を自分を好きになろうと必死で。そんな少女たちはやっぱりその時期を通り過ぎてしまった私には眩しかったです。

花園に別れを告げてそれぞれどんな大人になっていくのかな。そんなことを思った作品でした。



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