小説その1〜疾風〜
□新婚ごっこ
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時刻は午後6時、
だんだん薄暗くなっていく帰り道、二人は手をつないで歩いていた。
「ねぇハヤテ君」
「なんですか?ヒナギクさん」
「ちょっとお願いがあるんだけど…
今日、私の家に泊まってくれないかしら?」
「えっ?」
確かに今日は金曜日、明日は休みなので泊まる日としては申し分ない。
「でも、どうしてですか?」
「実は今日と明日、お父さんとお母さんの出張が重なって家には私だけなの。
お姉ちゃんも帰って来ないしその…一人じゃ寂しくて…」
もじもじとするヒナギクにKOされそうになったハヤテだが、なんとか耐えた。
「でも、やっぱり健全な男女が二人だけで一夜を過ごすのは…」
「ハヤテ君は私を襲うの?」
「襲いませんよ!」
即答するハヤテ。
「ボソッ(ハヤテ君だったらいいけど…)
じゃあ、泊まってくれるわね?」
ヒナギク、小首をかしげて必殺の上目使い。
一撃必殺の破壊力を持つこの技に、ハヤテが耐えられるはずもなかった。
「…わかりました//
ヒナギクさんを一人にするわけにもいきませんし、マリアさんから許可もらってきます。」
「ふふっ、ありがとう、ハヤテ君♪」