赤髪の白雪姫
□第二王子の行方
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木々とミツヒデは城の廊下を困ったような顔で駆け回っていた。
「ゼンー。どこだー?」
「どこにいるのやら・・・」
ゼンが執務室から抜け出した。それはいつものことなのだが、その日に限っては抜け出して欲しくなかった。
「急だけど、公務だもんなー。こればっかりはすっぽかしてもらっちゃ困るよなー」
「ミツヒデがちゃんと見てればこんなことにはならなかったのに・・・ミツヒデが」
「二回言った!そんな事ぐらい分かってるよ!」
途端、木々が疑わしげな目でミツヒデを見つめた。
「あれ?!疑ってる!?」
「・・・・疑ってない。信じてるよ・・・」
そう言いつつも、木々の口から漏れるのは溜め息だ。
「・・・・・ゼンといい、木々といい・・・・俺の事が嫌いなのか・・・」
ミツヒデは悲しげな笑い声を上げるが、木々はもうすでにずいぶん先まで進んでいた。