Old

□消えない痕
1ページ/1ページ


「・・・やっ」



「あ・・・えっと、、ごめん」



どうしたんだろう

今日のニノは変だ。


ちょっと肩を触っただけなのに。

っていうか、いつもならニノの方から触ってくるのに



拒否られてる・・・?





「いや、俺こそごめん。
 ・・・気にしないで?」



気にしないでって言われたって




そんな顔されたらほっとくわけいかないでしょう?




「ニノ、どうしたの?」




「ほんっとに、なんでもないから!」



・・・最近はニノの嘘を見透かせるようになっちゃった。




「じゃあ、触ってもいいよね?」





「・・・ッ」


ほら、なんでそんな泣きそうな顔するの?



嫌なら嫌っていえばいいじゃん




僕にまで嘘つかないでよ





「嘘だよ、ニノ。
 大丈夫。触んないから」



今の僕はちゃんと笑えてるのかな?




「ち、がう!
待ってリーダー!!」



「ん?」



「違うんだ、
違う・・・違うんだよ」



「どうしたの?
ゆっくりでいいから、僕に話してよ
きっと楽になるから」




するとニノは泣きそうな顔を上げて泣きそうな声で喋る。




「ひかない・・・?」



「僕はニノを受け止めるから」



「・・・昨日の帰り、知らないワゴンに無理やり乗せられて・・・、そこには知らない人がいて、そこで俺は・・・・・・うわあぁあぁッ!!」




そこまで言ってニノは崩れ落ちてしまった。





首筋には僕の知らない痕がある。






化粧で隠れてたけど、顔には複数のあざがある。





・・・ニノは襲われたんだ。


いわゆる・・・レイプ。





ニノは女の子みたいで、男を惚れさせてしまうくらい可愛くって・・・・・・本当に大好きで





「話してくれてありがとう」



僕は泣き崩れたニノを抱きしめた。




「・・・リー、ダ、、」




「守ってやれなくて、ごめんな?」



そう言うとニノは首を横に振る。




「だ、から、、
リーダーのこと嫌いなわけじゃないんだ・・・ッ

ただ、、怖いんだ・・・」




「僕は・・・・・・」




「リーダーは悪くない、
だけど、無理なんだ・・・」




それは、どういう意味なんだろうか



「ごめん、リーダー・・・」




あぁ、そうか




これが“拒絶„







「今の俺じゃ、リーダーのことを本当に愛することなんてできないんだ・・・。」





ねぇ、ニノ



嘘って言ってよ




「別れよう」





そんな言葉で終わっちゃうの?



そんなに儚いの?






「僕は・・・
ずっと、ずっと待ってるから!
だから、ニノも・・・・・・」




「できないんだよ・・・!」


ニノが殴りつけるように怒鳴る。



「・・・え?」




「今、こうしてリーダーと話してる間でも、昨夜のあいつのことが脳裏をよぎるんだ。

きっと俺は忘れない。
リーダーと愛し合ってるときだって、俺の頭には絶対にあいつが脳裏をよぎると思う。


リーダーは優しいから、こんな俺も受け止めてくれると思う。


だけどそれじゃダメなんだ・・・!」





「・・・ニノ
僕はさ、ニノが幸せなら・・・
ニノが選んだ道がそれなら、いいよ?」


本当は泣きたいくせに



でもここで泣いたりしたら駄目なんだ。




余計にニノが苦しむだけ。




「・・・本当?」



「うん」



「・・・あ、りがと・・・ッ」




「だからさ、ほら、泣かないで?
あ、じゃあ・・・もう行くね?明日仕事早いし・・・・・。
今タクシー呼んだから、ニノはタクシーで帰ってね」



それだけ言い残して、僕はニノに背を向ける。





「・・・リーダー!!」




後ろからニノに呼びとめられる




僕は振り返らずにそのまま立ち止まる。





「ありがとう・・・。
      大好き」








僕にできるのはこのくらいだから





ただ君が笑ってくれるその日まで





僕もずっと笑顔でいるからね









ありがとう、ニノ



  僕も大好きだよ









end
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ