too much time
□もう絶対に
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―部屋に入ると、ローは大きな椅子に足を組ながら座っていた。
他の人がすると傲慢そうに見えるだろう姿も、彼がすると貫禄が見える。
恋人ではあるが、少し緊張しながらも近づいた。
「みき」
「わっ」
名前を呼ばれると、腕を強く引かれた。
椅子に座るローをあたしが跨ぐような体制になり、一気に距離が狭まる。
「どれだけ心配したと思う」
「ごめん…」
ぎゅうぅぅと音が聞こえるぐらい抱き締められる。
あたしも彼の首に腕を回し、首筋に顔をうめた。
一日ぶりのローの匂い。
安心できる大好きな匂いだ。
「これからは出来るだけ、出るときはオレも着いていくようにする」
「…ううん」
弱く首を横に振ると、何故だとローは問う。
あたしはそのまま顔をあげずに、答えた。
「あたし…今回みたいにこれからも迷惑をかけると思う」
「………。」
「戦えないし、ちょっと船のこととか家事ぐらいしか出来ないし」
「………。」
「迷惑ばっかかけてるし…っ、」
自分で言っていると段々悲しくなってきて、次第に涙が溢れて、彼の服を濡らしていく。
「あたし、ロー達の夢の足手まといになりたくないよ、邪魔になるのが辛い…っ」
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