too much time
□オレが必ず
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「今すぐ帰して!」
「そりゃァ無理な相談だ。嬢ちゃんには一生オレのメイドとして働いてもらうぜ」
「絶対に嫌!」
人質のまま小屋に連れ去られ、海賊に一生オレの下で働けと言われ。
明日には町にいる仲間達と出航するらしく、逃げるなら今日しかない。
この海賊相手に交渉するのは無駄なだけみたいだし。
―逃げるとしたら、寝静まった後だ。
「―わかった。アンタの下で働く。だから、とりあえず縄をほどいて」
「それも出来ねェ相談だ。嬢ちゃん逃げるかもしれねェしよ」
「……。」
…まぁ、そんな簡単にいくわけないか。
夜になるまでに方法を考えよう。
―目の前には体つきのでかい男。
―仲間の人数は不明。
さぁ、どうやって逃げようか。
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「ベポ!どうだ?」
「うーん。多分みきは担がれるか何かして自分では歩いてないから、匂いがほとんど残ってないよ」
ベポの言葉にキャプテンの顔は険しくなる。
「キャスケット、お前は何も見てないんだな」
「…あぁ、ペンギン。気づく前にはいなくなってた」
申し訳ない気持ちと情けなさで胸がいっぱいになる。
守れなくて、何のためのボディーガードだよ。
「キャプテン…本当にすいませんでした」
詫びたってみきが帰ってくるわけでもねェし、オレのミスが取り消されるわけでもないけど、どうしても謝らずにはいられなかった。
キャプテンはオレに一瞥すると、すぐに目をそらした。
「みきが連れ去られたのは、オマエも悪い」
「はい」
「けれど、」
キャプテンは尚も捜索を続けるベポの方へ歩き出した。
オレはその後ろ姿を見つめる。
「オレもみきの要望がない限り、ランジェリーショップの中にまで付いていかねェ」
「…!」
「みきが連れ去られたのは事実だが、オマエのせいじゃねェよ」
「キャプテン…!」
「てめェを責める前に、みきを全力で探せ」
「…はい!」
オレはまたみきを探す為に走り出した。
待ってろよ、みき。
オレがすぐに助けに行くから。
I surely help you.
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