too much time

□オレが必ず
2ページ/2ページ

.




「今すぐ帰して!」

「そりゃァ無理な相談だ。嬢ちゃんには一生オレのメイドとして働いてもらうぜ」

「絶対に嫌!」


人質のまま小屋に連れ去られ、海賊に一生オレの下で働けと言われ。

明日には町にいる仲間達と出航するらしく、逃げるなら今日しかない。

この海賊相手に交渉するのは無駄なだけみたいだし。

―逃げるとしたら、寝静まった後だ。


「―わかった。アンタの下で働く。だから、とりあえず縄をほどいて」

「それも出来ねェ相談だ。嬢ちゃん逃げるかもしれねェしよ」

「……。」


…まぁ、そんな簡単にいくわけないか。

夜になるまでに方法を考えよう。


―目の前には体つきのでかい男。

―仲間の人数は不明。

さぁ、どうやって逃げようか。








-------------

-------



「ベポ!どうだ?」

「うーん。多分みきは担がれるか何かして自分では歩いてないから、匂いがほとんど残ってないよ」


ベポの言葉にキャプテンの顔は険しくなる。


「キャスケット、お前は何も見てないんだな」

「…あぁ、ペンギン。気づく前にはいなくなってた」


申し訳ない気持ちと情けなさで胸がいっぱいになる。

守れなくて、何のためのボディーガードだよ。


「キャプテン…本当にすいませんでした」


詫びたってみきが帰ってくるわけでもねェし、オレのミスが取り消されるわけでもないけど、どうしても謝らずにはいられなかった。

キャプテンはオレに一瞥すると、すぐに目をそらした。


「みきが連れ去られたのは、オマエも悪い」

「はい」

「けれど、」


キャプテンは尚も捜索を続けるベポの方へ歩き出した。

オレはその後ろ姿を見つめる。


「オレもみきの要望がない限り、ランジェリーショップの中にまで付いていかねェ」


「…!」


「みきが連れ去られたのは事実だが、オマエのせいじゃねェよ」

「キャプテン…!」

「てめェを責める前に、みきを全力で探せ」

「…はい!」


オレはまたみきを探す為に走り出した。



待ってろよ、みき。

オレがすぐに助けに行くから。








I surely help you.





.
前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ