小説
□メリークリスマス。byヒナギク
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12月25日。いわゆるクリスマス。私は歩と夜のデートをしていた。
「あそこのツリー、きれいですねー」
「そうね。あっちにはゆきだるまの飾りがあったわよ」
「あ、私トナカイのやつ、さっきみました!」
さすがにこの時期はピカピカ光るものが多くなる。ちょっと目が痛くなりそうなくらい、私たちのいるとこはイルミネーションが沢山あった。
「そういえば前乗った観覧車、今日はクリスマスだから何か特別らしいですよ」
「そうなんだ。中に装飾されてるとか?」
「それもありますけど、カップル向けにしてあるらしいです。回る速度を遅くしたり、カーテンつけたり」
「カーテンなんかつけてどうするのかしら」
「やっぱ見られたくないんじゃないんですか?そのほうが二人きりって感じがするし」
中が見えないと逆に少し気になるわね。
「いきませんか?観覧車」
「え?」
私が高所恐怖症なのを知っているのに、あんな高いところに行こうと?
「運がよければ中にネックレスがあるみたいなんですよ。二つあわせると一つになるやつ」
「わ、私は待ってるから。歩頑張って」
「えー、いきましょうよ。カーテンしめれば外は見えませんよ」
それはわかってるけど、高いところにいる、って感覚はやっぱりあるわけで…。
「じゃあ乗ってる間、手握ってますから。今日くらい一緒に乗りましょうよ」
そこまで言われると…。て、顔近い…!上目遣いだし。この子がこんな風になると大抵私は断れない。
「…絶対離しちゃだめよ」
「はい!」