小説

□1cm
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「クリスマスイヴだね、夕歩」


「そうだね」


今日は12月24日。恋人ならデートのひとつやふたつするだろう。つまりは夕歩とデートしたい。


「じゃあデートしよう!」


「やだ」


「即答!?」


寒いからいやだとかは覚悟してたけどいやだと言われてしまいました。順ちゃんちょっとショック…。


「だって昨日順の服のポケットから変なのでてきたから」


「…見ちゃった?」


コクンとうなずく夕歩。止まる私。


「ホテル街の地図なんて何に使うの?」


「あー…お泊まり?」


「ひとりで行きなよ」


「そんな冷たいこといわないでよ!ホテルなんて行かないからデートしようよ!」


「…じゃあ地図捨ててよ」


「夕歩が捨てたんじゃないの?」


「予備があるでしょ」


「!…何で知ってんの?」


「やっぱり」


やっぱりって…?もしかして…。


「カマかけ?」


「そう」


マジですか。


「夕歩には敵わないわー」


「捨てたら行くから」


「はいはい、捨てますよ」


そう言いながら丸めた地図をゴミ箱に投げ入れる。


「じゃあ行こっか」


「…なんで準備万端?」


「行くつもりだったから」


「………」


いつからうちの姫はこんなにSになったんだろう。
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