小説

□今日は…
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「〜♪」



軽い足取りで幸村は楽しみにしていた。

手にはそれ程大きくないがカーネーションの花束とケーキの箱を持って。



「(佐助…喜んでくれるだろうか……。)」



相手が喜んでいる顔を思い浮かぶとどうしても口元が歪んでしまう。

自分なりに一生懸命考えて買ったものだ。
渡す時どうやって渡すかまだ迷っていた。

そう思っているともう自分の家に着いてしまった。

いつもなら普通に《ただいま》といって入るのだが今日に限って緊張してしまう。



「――…フゥ…よしっ!」



普通ならゆっくり開ける筈なのに思い上がってバンッと、開けてしまった。

だが、緊張した幸村はそれに気付かず花束を後ろに隠してリビングまで行く。



「た、だいま…。」

「あっお帰り旦那。今日は旦那の好きなハンバーグだからね。」

「!ハンバーグか!?俺大好きだ!!」

「旦那は何でも好きな気がするけど…まぁ、もう少し待っててね。」

「うむ!」



帰ったら渡そうとしたのだが今の佐助は手が放せない感じなのでまた後にする事にした。

さて、このプレゼントは何処に置こうか?

リビングから近い所が良いと考えると隣にある和室に置いとく事になった。


リビングに戻るとハンバーグの良い匂いが漂っている。



「旦那、悪いけどご飯とかよそってもらえる?」

「承知した!」



この家は幸村と佐助と住んでいる。
本当は信玄と言う幸村の父親が居るのだが仕事で色んな世界を飛び回っている。

だから佐助と一緒に居るほうが多いのだ。



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