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□SweeeeetBoy
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ボスから例の手紙が届いて三日後。




俺は幹部の奴らと、いざというときの連携をはかるため、
幹部たち一人一人と個別にコミュニケーションをとっていた。




普段からちょくちょく話していたベルナルドは楽勝。

何故だか知らないが俺を神のごとく崇め奉るジュリオも、
まぁ、大丈夫だろう。

ルキーノも、俺様な性格に多少なりとも問題はあるがイタリアの紳士だ。
何が自分にとって得策か、判断がつかないような馬鹿じゃない。




問題は・・・


口に出して言うまでもない。
イヴァン・フィオーレだ。




あいつは俺のことを嫌って嫌がるし、イタリア紳士でもない。
その上空気の読めない馬鹿だ。


いざとなったらGDに乗り換えようとしても不思議じゃない。

あいつはそういう奴だ。




俺はどうにかしてイヴァンとナカヨシコヨシとやらにならなきゃいけないわけだが・・・



どいうわけか、
あいつは俺の独房に来るのを渋っていた。

何度熱烈に誘ってみても答えはNOの一点張り。



そんなに俺のことが嫌いってか?

俺もとことん嫌われたものだ。






俺がそんなことを考えながらぼーっと飯を食っていると、
前の席に座ったのはルキーノだった。


続いて、右隣にベルナルドが座る。





「どうだ、上手くいってるかい?ハニー」


「心配してくれて嬉しいわ、ダーリン♪」


「朝から気味の悪い冗談は止めろ、イライラする
で、準備の方は?」



冗談もほどほどにして、
俺は今の現状と、脱獄に必要なものを各自でそれなりに揃えておいてくれとだけ話した。


脱獄の準備は、まぁだいたい整ってはいる。


「今のところの問題は、イヴァンの奴だけだぜ」


幹部二人もため息交じりに苦笑いする。

この二人にとっても、イヴァンは扱いづらい奴のようだ。




「独房に来るくらい、したっていーのにな」


「お前が臭いからじゃないのか?」

「え、俺のにおいのせいか!?」


俺はボーダー服の袖をくんくんと嗅いでみる。
・・・確かに。
美青年から香ってはいけない臭いがする。



「そーいやお前、最近風呂いつ入った?」

「えーっと・・・  3週間前?」


応えるやいなや、
ルキーノは俺に右手の中指をたててみせた。


「ファック!近寄るな」

「お前、それは入らなすぎだな」


ベルナルドはかわいそうなものを見る目で俺を見下ろす。



あー、そういえばこいつらキレイ好きだったよな。



俺は脱獄なんかに関しちゃ周到で計画的だが、
見た目に関しちゃとんだズボラだ。

今日だって寝癖つけたままだしな。



イヴァンも・・・案外キレイ好き・・・とか?




「うわっ顔に似合わねー」


「ん、何がだ?」

ベルナルドが急に笑い出した俺を不思議そうに見つめる。


「ハハッ・・・いんや、こっちの話さ」


「?」




とりあえず、

今日は風呂に入ってからイヴァンを尋ねてみよう。



本当にキレイ好きだったら思いっきり笑いそうだ。
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