Bleach

□くちなし
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恋だとか、
愛だとか、
好きだとか、

甘ったるくて幸福そうな響きの言葉。

そんなの俺には関係のない、未知の話だと思っていた。





「ちょっと!一角さん聞いてます?」





何の罰ゲームなのか、
今俺は「恋愛相談」というものを受けている真っ最中だ。


「あー・・・はいはい聞いてるよ」



相手は昔っから可愛がってきた現六番隊副隊長・阿散井恋次である。


強くなりてぇと言うから稽古を付けてやったこともあるが、
なんでもかんでも俺に教えを請えばいいってもんじゃない。

そりゃあ、自分を慕ってくれる奴をむげに追い返すわけにもいかねぇが
俺は恋だの好きだの経験が浅いんだ。



しかも、

よりにもよって恋愛初心者である俺にもってくる案件にしては難易度がトリプルクラス。


恋次の好きな奴というのが、

その・・・


・・・



・・・死神代行・・・黒崎一護なのだ。



恋もろくにしたことねぇ俺にホモの話なんかついていけるか!






「それでですね・・・一護の奴、本当もう何ていっていいか、こう・・・」



恋次は俺が項垂れているにも関わらずずっとこの調子だ。

照れたと思ったらしょぼくれたり、嫉妬むき出しにしたり、表情がコロコロ変わって、
この間まで朽木家のことで悩みまくっていたお前はいったいどこにったんだ・・・


これもこれでこいつが幸せな証拠だが、
もっとこう他に悩むことはないのかよ。



「要点をまとめてしゃべれねーのかお前は」

「あ、すいません」


つい、と恋次は俺のげっそりした表情に気づいたらしい。



「いい加減、俺に頼みたいことって何なんだよ」


「えっと・・・それはですね・・・」



恋次は少し言いづらそうに言葉を濁す。
さっきまで無駄にしゃべってたくせに。

俺は早くそれを聞いてづらかる気満々なんだが。


「・・・本当は俺が勇気出して聞くべきなんスけど・・・」


「だから何だよ!」


「一護が俺のことどう思ってるか聞き出してくれませんか!?」



・・・・・・



・・・・・・














それから数週間後、

黒崎一護は定期報告か何だかでソウルソサエティにやってきてた。
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