くぅの妄想小説

□君がいないとダメなんだ
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今、ともはすっごい怒ってる。

なんでかって?

それはともの彼氏の佐江のせいだよ。

佐江はバスケ部のエースなんだ。

それで、みんなからすっごい人気なんだ。

最初はすごい!とか思ってたけど最近は
嫌だ。みんなが応援する度に佐江は笑顔をみんなに向ける。
あの笑顔はとものものなのに…。

ある日の部活の帰り道、とも〜みと佐江は手を繋いで一緒に帰っていた。

今までだったら、嬉しくて楽しいはずなのに、今は楽しくなんてない。何故かイライラしてくる。

「いやー、なんかありがたいよね〜。みんなが応援してくれて。試合とか勝てる気がしてくるよ!」

「なにそれ?」

「とも?」

「佐江はさ、別にともがいなくても大丈夫そうだよね。」

とも〜みは静かに言った。

「何言ってんの?」

「ごめん。先に帰る。」

繋いでいた手を離して帰ろうとした。

「ちょっと待ってよ!」

佐江はとも〜みの手を掴んだ。

「離してよ!佐江は別にともの応援なんかいらないでしょ!
応援してくれる子達がいるんだから!」

とも〜みは手を振り払って走り出した。

雨も降ってないのに何故か頬が濡れている。それが涙だと分かった時にはもう家に着いていた。

「ただいま…。」

玄関に入ると、いつも出迎えてくれるママがいない。

「そうだ。ママ達は親戚の葬式だった。」

とも〜みは冷蔵庫からミネラルウォーターをだし、部屋に入った。

ベッドに座り一段落していたら携帯がなった。

見ると佐江からの着信だ。

とも〜みはでようか悩んだが、電源ボタンを押した。
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