オフライン発行本見本

□それは、揺るぎない未来の為に
1ページ/1ページ


「そうですね、・・・・・あえて言うなら、可愛い我が子、でしょうか」
アイツがそういった瞬間。局地的なブリザードが部屋の中に吹き荒れた。
その発生源に目を遣り、どうしてこんなことになったのかと思わずにはいられなかった。

―――――――――――――――――

「陛下、ダアトより謁見願いたいと使者が来ております」
ダアトから、ねぇ。兵士からの報告を受け、俺は溜息つきたい気分だった。正直な話、俺にとってダアトはあまりいい印象がない場所。
預言に縛られ、争いを巻き起こし、・・・・・・果てには俺の大事な幼馴染みも取られちまった。それでいい印象を持ってってのが無理な話だ。
まぁ、それでも態々の謁見願いを振り払うほどではなかったし、な。
「わかった、通せ」
俺のその言葉に、兵士は下がりしばらく後に現れたのは。銀の髪を揺らす、幼馴染みの姿だった。
「サフィール、サフィールじゃないか!」
俺が声を上げるも、サフィールは黙って面を伏せたままだった。
アイツは昔から生真面目なところがあったからな、・・・・・・ジェイドの事、以外ではだが。
旧交を温めたいところだが、先に用事を済ませないと駄目って事か。



[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ