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□それはきっと、至上の幸福
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「好きです、ルーク!・・・・・僕と、僕と結婚してください!」

イオンがルークに向かって告げたそれを聞いた途端、シンクは隠れていた樹の幹に思いっきり頭をぶつけていた。
慌てて2人の様子を窺うが、気付いた様子はない。それには安堵しつつ。
痛む頭を抱えて、シンクは今に至る状況を振り返らずにはいられなかった。

―――――――

出逢った時から、己がレプリカとして生まれてきたイオンが、やはり同じレプリカとして生まれたルークに。
特別な感情を抱いたのは一目で分かったシンク。
まぁ、自分にもアリエッタが居るし、それもありか。そんなふうに考え、しばらく様子を見ようと思ったのだ。
他にも、ルークに惹かれているらしい使用人がいることには気付いていたから、その事はイオンに教えておいた。
さりげなく、告白するなら早い方がいいんじゃないの?ルークだって、好きだって言われたら少しは意識するかもよ。
くらいの後押しはしておいて。それに加えて、イオンがルークに会いに行くのも、便宜を図ってやったし。
(代わりに、しばらくぶりに長時間に渡って、髭と預言マニアの顔を拝む羽目になったし、あの新たな導師守護役がどんなかを知ることにもなったが)

普段は何もかもが確信犯のシンクと違って、イオンの行動には天然振りが目立つが、それでもやはりシンクが元となっているだけのことはあり、いざと言う時の行動力は、立派に備わっている。だから、一度イオンが決めてしまえば、告白の為に即座にルークの元へ赴くだろうと。



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