イノセント・ワールド

□演じる事はすなわち偽る事だ。
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始まりの記憶は、決していいものではなかった。
向けられる好奇の視線・実験動物を見るような視線・無関心な物を見る視線。
それに加えて、俺自身を否定する、軽侮と憎しみの視線。
テメェ等の都合で生み出したクセに、否。それだからこそ、なのか。
何も感じてないような無表情の内側で、俺はただ目の前の存在に・・・・・。


生まれて漂う、ゆらりとした自我とも呼べない意識に。
接触してきた第7音素集合体が、俺に確固たる“俺”と言う意識を与えた。
様々な知識と、能力と、そして俺が生み出された理由と共に。
それを知った俺の心情を表すとすれば、こうだろうか。

『ヤロ〜テメェ、ぶっ殺す!』

(数年後に同じような台詞を別な人間経由で聞かされるのだが、それは余談だ)


預言を否定したいなら、人を巻き込むんじゃヌェ!
やりたいなら、テメェ1人でやれよ!
しかも、俺のオリジナル様(ケッ!)と言う奴は、見当違いの憎しみを俺に抱いているようで。
ますます頭にくる。(1ミクロンくらい、同情の余地があったとしても、だ)
そしてまた、方法も気に食わねぇ。
何が全てをレプリカの世界に、だ!レプリカと言う存在に恨みを抱いてるクセして!
全くもって白々しい。
(てか、全てがレプリカの世界なんて、滅ぶだけだろうよ。
死んだら消える生き物だけの世界で、命を繋ぐ何ざ、到底不可能だ)

『なればどうするか、我が愛し子よ』


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