短編
□やめてあげられるはずがない
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「好きです、ルーク」
告げるたびに、その碧の瞳は困惑に染まる。
それでも、告げることを止めることはできなくて。
そして、今夜も、僕は。
「あなたが好きです、ルーク」
「イオン」
至近距離で見つめる、あなたの瞳。
黄昏に染まったような、朱色の髪。
あなたの全てを、愛しい、そう思います。
でも、罪を犯した、そう思うあなたは、容易には僕の言葉を受け入れてくれない。
僕に、彼を支えることができれば、いいのに。
けれど、護られてばかりの僕に、それは叶わないから。
だから、こうしてルークの元へ訪れ、僕はただ、その言葉を捧げて。
「あなたの全てが、僕は好きなんです。そう言ったら笑いますか?」
僅かに浮かぶ困惑と、それ以上に深い悲しみが見て取れて。
僕は堪らずに、彼をこの腕で抱きしめた。