短編
□六月一日
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ああもう、鬱陶しい。
六月一日
そもそも、だ。
昨日は暑かったと思えば今日は寒い、季節の変わり目の微妙な気温の差をなんとかしてほしい。
しかもなんだこの雨は。なんで最近雨ばかり降るのだ。
「梅雨、毎年6月から7月の初めごろまで続く雨期。だからでしょうね」
知るかそんなもの。
「この時期大佐は当分使えませんね」
私が雨の日に使えないだと?戯言を言うヤツは一人一人焼いてやりたいものだ。焔は使えんが、酸素濃度や水素の割合を調節すればいくらだって応用できる。焔の錬金術師だからといって、それしか能がないなどと言われたくない。
「だって焔あってこその大佐でしょーが」
多少湿気があろうとも室内なら焼き具合の調節も可能だぞ。手元が狂えばどうなるかわからんがな。
「大将がいないからって八つ当りしないでくださいよ」
鋼の……はがねの!
ああなんで君はこうも連絡をくれないんだ。最後に会ったのはいつだ?寒い冬じゃないかっ。あれから何ヵ月も経ったのに一切の音沙汰無しなんて冷たすぎやしないか。いや別に鋼のを責めてるんじゃない、彼の為になにもしてやれない自分が嫌なんだ。所詮は左官の私に出来ることなんかほとんどないのさ。
「尉官の俺らなんかどーすればいいんすか」
鋼の……怪我はしてないだろうか、何か掴めたんだろうか、誘拐されてないだろうか……。
こんなくだらない書類なんか見てる時間があったら君のところに行きたいよ……。
「明日までに全て目を通してください」
あー……そうだてるてる坊主作ろう。金色の触角つけて目付きは釣り気味にして口はきゅっとした……あの子みたいなのにしよう。きっと彼の純粋な心みたいに晴れやかな空が見えるさ。はっはっは。
「うわぁ……大佐やばいじゃん」
彼が帰ってきたらなにをしようかな。美味しい食事と和やかなムード、穏やかに旅の間のこととかを話ながらさり気ないエスコートでホテルに行って。
「犯罪じゃないですか大佐」
そのまま済し崩しにあんなことやこn……
「死ねっこの電波男!!」
ああ、鋼のお帰り……。
end。
この話はなんだったのかというと。
・六月一日=ロイの日ってわけで、大佐の一人称で。
・今日は電波の日と気象記念日らしいので、電波な大佐と雨。
実は大佐の一人称は独り言。だからたまに部下の相づちが入る。
変なこと妄想しだしたロイはたまたま帰ってきたエドに殴られる。
ってわけです。
ほんとはもっと書きたかったけど30分で携帯打ちの限度でした。
2008/6/1