捧物

□Irritated.
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自分と同じ色の金髪に、無性に苛立った。





Irritated.





あれが、噂の鋼の錬金術師。

本当にあんなおチビさんが国家錬金術師だってのか?

しかも人柱候補。

しかも……僕の義弟。
つまり忌まわしきホーエンハイムの息子なんだって?


一目でわかった。
その金髪と瞳を見た瞬間に。
本当の僕と同じ色。


──殺してやる殺してやる殺してやる。


こんなに人を憎んだのは多分二回目。



こんな身体に、人造人間になる前の記憶が狂わせてくるのはわかってる。

今の僕に相応しいエンヴィーという名と同じ嫉妬の感情。


何が嫉ましい?
何が羨ましい?

僕にはわからないけど、君ならわかるのか?




「エドワード・エルリック」

「は?」


思わず呼んだ名は、ひどく口に馴染んだ。

振り向いた君は、人間の大罪を犯したふうには見えないくらいの純粋な瞳だった。
同じ金なのに、自分で言うのもなんだけど、一切の憎しみが無くて、ずっと見てるのは無理だと思った。


「じゃあね」

「?」


これ以上、今君と関わったら、僕はなにをしでかすか僕自身でもわからない。


でも確かなのはいずれ僕が君を殺すということ。

それまでは精々余計なことしないで生き延びていろ。



鋼のおチビさん。

僕が義兄と知って愕然とする君が見たいよ。


その顔が、恐怖と絶望に歪むその日を……──。










end


うわ、暗ぁー(・A・)
なにこれ?キャラぶっ壊しじゃん。
えーっと、兄メ版エンビってことで。

エンエドってよりエン→エドよね。
リクエストに添えなくてごめんなさい…orz

魔巫女様に捧げます。
突き返しOKです。。。


2008/4/11 鈴流優美


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