猿に首輪(仮)

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どうして三人が一緒にいるかというと。
本日は講義が無い休日。
既に諦めて慣れてしまったブラッドの飼い猫生活で、当たり前のごとくルビィは今日のクエストをどうしようかと悩んでいた時、見つけてしまったのだ。
なかなか出てこない“六ツ星”クエストを。
当然星が増えれば難易度は増す。
だが、ポイントはたんまりと貰える。
それにクエストの内容が、前に一人でもクリアしたことのある魔物三十匹の討伐だ。
この魔物、特に弱点属性は無いのだが、とても素早いため風属性は必須なのだが、“三ツ星”になる時に風を選んでいたルビィはこのクエストを見つけるなりまだ眠っているブラッドを叩き起こした。
あとでとんでもない仕返しをされることは怖いが、それよりも今はポイントだ。
自分の“星”以下のランクのクエストしか受けられないので、今のルビィでは“六ツ星”のクエストは受けられない。
だったら手短に“六ツ星”以上の誰かに連れて行ってもらえばいい。
討伐系なら戦闘狂のブラッドも楽しめるし、何より“七ツ星”のブラッドにはポイントはいらない。膨大なポイントは全部ルビィの独り占めと言うわけだ。
そこでブラッドの寝室に突撃して叩き起こし、理路整然と言葉を並べてなんとかブラッドを動かした。
そうしたらちょうど遊びに来たスフェン先輩が心配とばかりに一緒に参加を決めた。
それが今から一時間ほど前だ。
正直、スフェン先輩と一緒にクエストを参加したことが無かったので、ちょっと興味を持ったのは最初だけ。
クエストが始まると、先輩を置いてルビィとブラッドは討伐目標が居る深い山の中へと進んでいったのだった。
そして先輩が二人に追いついたのが、ルビィが最後の一匹と戯れていた時だったのである。



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