猿に首輪(仮)

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「遂に来たわね……」
「来てしまいました」
今日の学園都市はお祭り気分。
この都市で特に賑わう人気のイベントが開催される一週間。
この時期は学生や学園関係者だけでなく一般人も多く訪れる、まさにお祭りな時期だ。
街を歩けば空砲が鳴り響き、店のレイアウトも一段と派手だ。歩く人々も、ここまで混み合うことはまず珍しい。
だが、そんな街の様子など尻目にルビィとパパラチアは目的地のホームルームへ目指す。
この二人が並んで歩くのも、もはや当たり前の光景となっていた。
「うぅおおおおおお!!」
「な、なんです急に!?はしたない!」
「アドレナリン出まくりなの!叫ばずにはいられないの!」
「それでももう少しおしとやかな声で叫んでください!」
「無茶言わないで!だって!今日なのよ!?」
「分かってますわよ!そのために、わたくしたち、頑張って来たんじゃないですか!」
「えぇそうよ!分かってると思うけど、あたし、総合優勝しか見てないからね!」
「それはわたくしもです!」
足早に歩きながらでも、二人は視線を交わし、そしてにっと笑った。
なんたって今日から一週間は―――クラスマッチだ。


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