short/番外編

□梔子
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【梔子】
くちなし。芳香の強い白い花が咲く。ジャスミン
※片倉先生×同僚
・・・・・・・・・

仕事もひと段落した金曜日の夜。
「あたし、次ウーロン茶ね」
「あ?お前にしちゃ珍しいな」
「まだ呑んでいいわよ?あたしはちょっと休憩」
常連になりつつある小さな居酒屋の小さな個室で片手にはアルコール、テーブルにはつまみ用の何種類かの料理。
「焼酎の追加をもらえるか?あとコイツにウーロン茶を」
正面には、強面のクセにすぐに誘いに乗ってくれる片倉先生が若い店員に追加の注文を告げていた。

「そういえば、この前の中間試験どうでした?」
「まぁぼちぼちだな」
「もううちのクラス…平均がだいぶ下がっちゃって…」
「そうだったか?俺の教科はそうでもなかった気がしたが…」
こうしてここに二人でくるのはもう当たり前のようになってるけど、毎度話すのは生徒の愚痴だとか授業の進め方だとか、大抵仕事の話ばかり。

「片倉センセのクラスは聞き分けの良い子が多いじゃない」
「まぁ……そうだな」
「うわ、何それ自慢?」
「お前が言ったんだろ」
二人で飲みに行くことは多いがそれ以上も以下もなく、ただの同僚ただの飲み仲間としての関係は変わることもなく。

「そういえばさ、片倉先生のクラスに元親先生が手ぇ出した子がいるんでしょ?」
「ぐ?!…っげほ、ごほっごほごほ…っ!」
「あーあー、もう何やってんの」
突然振った話題が悪かったのだろうか。むせ返る同僚に「ほら、」と店員さんが持って来てくれたばかりのウーロン茶を手渡した。

「なんでお前がそんなこと知ってんだ?」
ごほん、と咳払いをひとつして冷静さだけは保とうとしてるらしいけど動揺してることは丸解り。
「いや直接聞いたわけじゃないけど、勘?」
「そうか、」
「まぁ…目に余るほどイチャついてるわけじゃないし、上にバレなきゃいいんじゃないって私は思うけどね」
「そう…だな」
今、まるで父親のような顔をしてることに目の前の人物は多分気付いていないと思う。確かに、可愛い生徒をあんな野獣みたいな奴(失礼)に渡したくないって気持ちもわからなくもないけど。

「先生のクラスは可愛い子も多いから無理も無いですかね」
「バカ言うな…」
「てか片倉先生も結構女子に人気あるんですよ?」
わかってます?なんてからかうような視線を向ければ、そんな私の言葉に目の前の人物は大きく溜息を吐き自分のお酒を一口煽った。

「お前こそ分かってねぇだろ」
「な、にが?」
片倉先生は同僚で飲み仲間。誘えばすぐに乗ってくれる気の合う同僚で愚痴も相談も聞いてくれる飲み仲間。だけどそれは、

「俺は、お前からの誘いにしか乗っちゃいねぇ」
明らかに私の勘違い。この金曜日の夜が、たった今始まったような気がした。

・・・・
片倉先生と沙織先生でした!!(…正しいリクは「同僚設定で元親先生を苛めたい」じゃ、ありませんでしたっけ?!www)
すみません元親先生よりも先にこのシーンが降りてきたので欲望に任せて書かせて戴きましたwwwこの続きは脳内でお楽しみくださいwwとりあえず元親先生のも追々書いていきます!
まずはお付き合いありがとうございました!!


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