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□副会長と俺
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さて、何故俺が変態……いや副会長にこうも追い掛け回される事になったのか。
それはかれこれ半月程前に遡る。
その頃、副会長……否生徒会役員全員がある一人の転入生に夢中だった。
転入生はまぁ…類まれな美少年で?頭がよくて?運動神経抜群で?性格も良い人気者………らしい。噂では。
俺の親友は、そんな転入生と寮の同室だった。
で、転入生にホの字の生徒会役員達にはそれが面白くなかったようで。
はじめは軽い嫌味を言う程度だったが、それは次第にエスカレートし、しまいには晩飯時で込み合った食堂で親友に謂われのない誹謗中傷を浴びせかけ、晒者にした。
親友本人に止められ傍観(というか様子見)に徹していた俺だったが、その瞬間遂にぶち切れた。
『…最低なのはてめぇ(ら)だろ!!』
ドカッ、と勢いよく吹っ飛ぶ副会長。突き出した右手に確な手応え。
………ああ、俺やっちまったな
唖然とした空気の中、食堂にいた人間が我に返る前にと親友の手を引きその場を後にした。
恍惚とした眼差しで俺の背中を見つめる副会長には気付かずに………
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