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□嘘だろ!?
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「あれ………疲れてるのかな。なんか幻聴が…」
「幻聴じゃねぇ」







「俺は、お前が好きだ」







嘘だろ!?







「……………ははは、エイプリルフールはまだ先だぞ」
「嘘じゃない」
「……………………頭をやられたか。早く病院に…」
「おい」

真剣な眼差しにたじろいで思わず後退る。直ぐに距離をつめられ、また後退り………とうとう壁際まで追い詰められてしまった。

「俺が、信じらんねぇ……?」

信じられるか! 寧ろ信じたくねぇよ!! と心の中でツッコミつつ、俺は何故こんな事になったのかと思考を巡らせた。

ああそうだ、そもそも俺は追試をくらったコイツの勉強を見る為にわざわざコイツの家まで来たんだ。顔はすこぶる良いのに頭の出来は残念な奴だから。

え? じゃあなんで今こんな体勢になってるんだ?

奴は逃げられないように俺の頭の両脇に腕をつき、更に体を近付けてこようとする。なんとか押し退けようとするも、今にも体が密着しそうだ。

「っ……………はな、れろよ………!!」
「…返事は?」
「くっ………耳元で、はな…すなあっ」

吐息のかかるような距離で低く甘く囁かれ、顔に熱が集まるのがわかった。耳が燃えるように熱い。くらくらする。

ああもう、無駄にエロい声出しやがって!

「お前、彼女いるだろ!?」
「別れた」
「………セフレだって何人もいるし…」
「切った」
「……………そもそも俺は男だ」
「知ってる」

何を言っても即答される。
わからない。混乱する。
だって、いったい、なんで、どうして…

「………………なんで、俺……?」
「…………わかんねぇ」


ああ、やめろよ。
なんでそんな顔するんだよ。
困ったような、泣きそうな、けれど、あまいあまい、笑顔。


「ガキの頃から、ずっと好きだった。お前と一緒に居られるのが嬉しかった。お前が笑いかけてくれるのが嬉しかった。お前と馬鹿やって遊べるのが嬉しかった。
……ダチだからだと思ってた。けど、なんかちげぇんだよ」


違うって、何がだよ。

お前は無駄に顔は良いんだ。幼馴染みで親友で、見慣れてるって言ったって、そんな真剣に見つめられたら、なんか変な気分になってくるじゃんかよ。


「俺は、お前みたいに頭よくねぇから上手く言えねぇけど………嫌なんだ。お前が他の奴と一緒に居たり、笑ったり、遊んだりすんのは。……………無理矢理にでも引き剥がして、俺しか知らない場所に、閉じ込めたくなる」


だめだ。
その続きは言うな。
聞いたら、戻れなくなる。

遮りたいのに、声が出ない。


「そんで気付いた。ダチとしてじゃなく、俺はお前が好きなんだって。でもお前は俺の事ダチとしか思ってねぇ事もわかってたから、ずっと我慢してきた。…………けど、もう我慢なんて出来ねぇよ」


強い強い、オスの瞳。肉食獣の瞳。
心臓の鼓動がうるさい。顔が熱い。溶けてしまいそうだ。

我慢ってなんだよ。お前結構好き勝手やってるじゃないかよ。なんで、俺の事だけ…

って、これじゃあまるで俺がそうして欲しかったみたいじゃないか!
違う違う違う! 俺は、だって、アイツは、親友で……そんな事、ある訳、ない…

ある、わけ…





不意に唇を奪われて、全ての思考が停止する。
触れるだけで離れたそれは、一瞬のようにも、永遠のようにも感じられた。
離れていく顔を、呆然と見つめる。

目があう。そらせない。






「俺は、お前が好きだ」










言葉と共に再び触れた唇を、拒めなかったのは、何故。




END

××××××××××
すみません……浮気性攻めと言いつつ設定が生かしきれてない…(汗)
自分の文才の無さが恨めしいですorz

多分攻めは小学生の頃から受けが好きだったのではと思います。10年近く片想いというヘタレです。
受けの方はまだ友情以上恋未満ですが、きっとそのうちウザイ程のラブラブカポォーになるでしょう(笑)
ラブラブな後日談は……気が向いたらupするかもしれません。

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